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2026.04.26
粉引の器たち
こんにちは。イデアルの牛越です。
前回に続き、作家さんのご紹介をしようかと考えていましたが、器の種類ごとに紹介するのも良いかなぁと思い、まずは個人的に好きな粉引(こひき、こびき)と呼ばれる技法で作られた器をご紹介してみようと思います。

素地(ベースとなる粘土)に白い泥をかけ、その上から釉薬をかけて焼いたものが粉引と呼ばれ、この泥をかける工程を「白化粧」といいます。
粉引はこの粘土 / 泥 / 釉薬からなる3層構造により、厚みや柔らかい風合いが生まれています。
僕はこの粉引特有の表情が好きです。
でも、この構造のせいで少し扱いが難しいところもあり、粉引は陶器の性質上、水分を吸収しすぐに水を含みます。
それが簡単に蒸発するかというと、粘土の層から泥の層、さらに釉薬の層と重なっているため乾燥には時間がかかり、
結果としてカビやシミの原因になりやすく、料理の匂いも残りやすいです。
また、異なる素材同士が引っ張り合い、釉薬の貫入や白化粧のひび割れにつながることもあります。
でもなぜ僕が粉引を推しているかというと、表情が好きなのはもちろんですが、シミやヒビが入っていく経年変化や、
それを防ぐためにかける手間すら愛おしく感じます。ほぼ、祖父母が孫へ向ける感覚に近いのかも。笑
でもこれは御託を並べているというわけではなく、器は生活に必要な道具だからこそ、使い方によって状態が変化していくのは自然なことだと思っています。
割れて使えなくなってしまうのは別ですが、経年は当たり前に起こるからこそ、その変化の過程を大切にする。普段の洋服と同じですね。
さて、色々書き連ねましたがここからやっと紹介のパートに入らせてもらいます。
粉引らしい柔らかくぽてっとした温かい色味が特徴の下村さんの器。
種類も豊富で場面によって使い分けもしやすく、食卓に自然と馴染んでくれます。
山田 隆太郎 / 粉引7寸鉢山田さんの器は白化粧のゆらぎが白にもグレーにも見せてくれる奥行きがあります。
和食との相性もよく、盛り付けがいがあります。
遠藤 岳
遠藤 岳 / Plate
遠藤 岳 / Tea pot (T)他のお二方と比べるとかなりモダンな仕上がりの遠藤さんの粉引。
粉引特有の風合いは残りつつ、遠藤さんのシャープな作風と組み合わさると全く別の見え方になると感じます。
同じ技法でありながら、作家さんごとに異なる風合いがあるのも粉引の魅力のひとつです。
そうした違いを少しでも感じていただけたなら、このBLOGを書いた甲斐があります。笑
また、今回のBLOGにあわせ、FLAIRにて下村淳さんと山田隆太郎さんの器を店頭に出しました。(遠藤岳さんはENSEMBLEにてご覧いただけます。)
同じ粉引の中で、それぞれの土の表情や白化粧の風合い、使い込んだ先の姿など想像しながらぜひ眺めに来てみてください。
器は生活を豊かにしてくれる道具ですが、個人的には「なんかいいな」くらいの直感で選ぶのがちょうどいい気がしています。
その質感や重み、僅かな違いを楽しんでみてください。
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