2020
November / 1
良き出会い、SAL JACKET。
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Post . Yanagisawa
ENSEMBLEのスタッフはみんなジャケットが好き。
僕もずっと好きで、展示会に行くとお店のオーダーより先に自分が着たいジャケットを探します。
仕立て屋さんが"一人のために"仕立てるジャケットではなくて、ユニークな個性がありながらも様々な表現ができるもの。
「こうやって着なさい」はしんどいし、着て鏡をみた時に、自分が居なくなるものにはあまり興味がありません。
20AWもたくさんのハイライトがありましたが、スタッフ内で最も盛り上がったジャケットは〈 ensou.|エンソウ 〉からSAL Jacket。
好評につき、どちらとも1枚づつとなってしまいました。
150年の歴史がある英国の老舗、Harrisons of Edinburghのウール生地。
繊維を3回紡績した後に残った最も高品質なSuper100'sの糸に、英国産カシミアを混紡した贅沢な肌触り。丁寧な打ち込みによる上品な艶が美しい。
なんといっても、これだけ高級感のある生地とズタズタの端のギャップですよね。こんなバランスの崩し方ってあるんだ、と勉強になります。
171cm / 56kgで着用サイズはL。普段はツイードの方をMサイズで着ていますが、次にこちらのモデルを購入するときは絶対Lにします。(肩幅が広くて良かったなぁ。)
僕と同じような体型の方でしたらサイズあげて、ジャストよりもユルく、カーディガンみたいにして着ちゃうのがいいと思います。細いパンツより、ルーズなパンツのバランスが気分です。
こちらのツイード地はスコットランドよりPorter & Harding社を採用。
思わずため息が出る良い生地。
Porter & Harding社はHarrisonsの傘下にあり70年もの歴史があります。
”チェビオット”という厳しい環境下に生息する羊から採れる頑丈なウールの毛を強く編んでいるので、耐久性、防風防寒性に非常に優れた生地です。枯れ木や植物のトゲなんかは引っかけてもへっちゃらで、そのパフォーマンスの高さからイギリスの有名テーラーなどにも長く親しまれています。
ツイードは編む前に糸を染めるんですが、様々な色が交わることで生まれたグリーンが生地の風合いにマッチしていい雰囲気。
控えめに言っても最高です。
肩のパッドを外しているので着心地見え方共にリラックス。無駄なカッティングがなく、表から見えないところまでもきちんとした仕立て。襟を立てた時にアクセントになるベルベットのテーピングも品の良い主張。
裏地へのこだわりも流石です。西川さん曰く、「表地の高級感に負けないライニングが必要。」とのこと。
滅多に履かないけど唯一持ってるジーパンとユーズドTが今の自分にはちょうど良くて、40歳になったら古着の軍パンに黒タートルで渋くいきたいと想像が広がりました。
しっかりと奥行きを感じる逸品です。
是非とも店頭でお試しください。