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2020.08.06

STAFF TALK Vol.7 / visvimの話 [ Part 1 ]

GATHERINGの平林です。

DIALOGUEとGATHERINGの大黒柱であるvisvim

8/8(土)に新しいシーズンが始まりますが、その前に改めてブランドの紹介をしたいと思います。

語り手はもちろんハシバさん(IDEAL オーナー)とトモノリさん(DIALOGUE 店長)。

visivimと15年過ごしてきた思い出とともに、魅力を話してくれました。

 

 

 

 

 

 

 

– プロフィール –


 

【 橋場 エイタロウ 】


IDEAL 代表


 

1979年 生まれ


2005年 長野県松本市にDIALOGUEをオープン


2011年 長野県松本市にENSEMBLEをオープン


2014年 独立し株式会社IDEALを設立


2016年 長野県松本市にレディース店 fliarをオープン


2018年 長野県長野市にGATHERINGをオープン


2019年 DIALOGUEとENSEMBLEを統合し移転オープン


 

 

 

【 平林 ノブオ 】


1993年 生まれ


2014年 学生バイトからスタート


2016AW-2018SS  / ENSEMBLE 店長 兼 バイヤー


2018AW- / GATHERING 店長 兼 バイヤー


2020年 5月からGATHERING / ENSEMBLE  両店勤務に


 

 

 

 



 

 

NOBUO : DIALOGUEでは2005年からスタートしたvisvimですが、過去のカタログを見返すと

クリーンでミニマルな服から始まり、コラボ物、民俗調になっていって今に至るような感じに見えます。

ハシバさんにはまずvisvimのその辺りについて聞いてみたいのですが。

 

HASHIBA : そうだね。せっかくだからノブ君が入る前のvisivimの話の方が面白いかな。

日本のブランドっていわゆるストリートブランドみたいなものが走りのとこが多いじゃない。

 

N : そうですね。

 

H : それって結局 友達がやってるから俺も始めるとか、

仲間内で盛り上がってブランドを作るとかが裏原のスタート。

visvimのデザイナー 中村ヒロキさんは元々バートンに居て、ご自身もプロになりかけたスノーボーダー。

そういった経歴もあって普通のサラリーマンも経験してるんだけど、藤原ヒロシさんとは周りの仲間がファッションブランドを立ち上げてたから、最初はそういうノリもあったんだと思う。

 

N : 今から20年ほど前ですね。

 

H : 当時は1人1ブランドって言われてたくらい 手軽に始められる時代。

その結果もの凄い数のブランドがあったよ。芸能人がバックについてるブランドとかね。

でも中村さんはそこから きちんとしたファッションブランドに行けた最初の人なんじゃないかな。

 

N : 先駆者だったんですね。

 

H : それは中村さんの美意識の高さがあると思うけどね。

本人も「自分が作った何千足というシューズがベルトコンベアに流れて行く様子を見て、沢山のモノを作る責任と不安を感じた」って仰ってるからね。

1人1ブランドの時代ってロゴをチョコっと入れたり、少しのカスタムをするんだけでブランドになってたんだけど、中村さんはそっちじゃなく、より物作りの方向に行った人。

 

N : なるほど。ブランド自体は2001年からスタートで、どの辺りからより本格的な物作りの方にシフトチェンジしていったんですか。

 

H : 1個1個のクオリティが変わっていったのが2008,9年とかかな。

バートンにいらっしゃったから、最初からGore-Texとかのスペック系は強かったけどね。

あと彼の特徴は靴をデザインしているところ。

靴って完成までのプロセスが多いから、服だけの人と比べると物作りという点ではより研究されているよね。

そこからスイッチが入って、チープなモノじゃなくて、

もっとちゃんとしたモノを作らなきゃって気持ちが服にもいったんだと思うよ。

 

 



 

 

 

 

N : そうなんですね。あとOAMCのルークもvisvimのファンだって話を聞いたんですが。

 

H : visvimがデビューしたての頃から言ってたんじゃないかな。

最初から世界観とか凄かったから。F.I.L.(visvim 直営店)とか美しいじゃん。

BUNNYのアンドリューもルークもイタリアのスラムジャムで仕事してて、

キムジョーンズやロンドンのギミーファイブとかとも当時繋がってて、

その仲良かったメンバーがヨーロッパでvisvimの販売を担ってたんだよね。

 

N : 販売代理店を彼らがやってたんですね。

 

H : 特にルークは中村さんの世界観を買ってて、俺がヨーロッパでvisvimを広めてやる!!って感じだったよ。

 

N : なるほど。あとは雑誌のハニマグを読み返していると、藤原ヒロシさんとの繋がりもありますよね。

 

H : FBT(visvim 代表作のスニーカー)の名前を付けたのはヒロシさんだからね。

 

N : そうなんですね!!

 

H : Fun Boy Three / ファンボーイスリーってバンドがいるんだけど、

そこがモカシンのシューズを履いてラップをしているんだよね。

その彼らが履きそうな靴を作ったら面白いんじゃない?ってヒロシさんのアイディアで

モカシンにスニーカーソールを組み合わせたんだよ。

だからFun Boy Three の頭文字を取って、「FBT」

 

N : 知らなかったです。

僕が入社したのが2014年で、その頃はvisvimからはヒロシさんの匂いが全くしなかったんですけど、

歴史を掘り下げていくと、「え!!そこと繋がってたの?」って驚きました。

 

H : そうだね。昔ヒロシさんがハニカムのブログだったかな。

visvimのカタログを載せて、「世界で一番はvisvim」って書いてたよ。

ありとあらゆるメゾンブランドを見てきたヒロシさんがね。

でも俺も本当そう思ったし、それほどの世界観とクオリティでモノを作ってる人。

 

N : そうだったんですね。

これもカタログを見返して驚いたのが、SOPH./UNDER COVER/mastermindなどとのコラボ。

やっぱりここもヒロシさん繋がりでコラボレーションされてたんですかね。

 

H : そうだね。

特にその時代背景としてはヒロシさんのお墨付きがあるっていうのが、一流の証だったから。

それを中村さんは早い段階からもらってたのは、彼の実力でもあるし、センスでもあると思うけどね。

 

N : それで途中からそこを抜けたといいますか。

そのキッカケは何だったんですかね。

 

H : 俺も具体的な事は聞いてないから推測になっちゃうけど、

中村さんにとって心地良いと感じる物作りとは段々とズレていってしまったんじゃないかな。

さっき言った数千足のシューズを見た時の思いもあるだろうしね。

 

その頃からインディアンジュエリーとかネイティブなモノを取り入れ出した時期があって、

より研ぎ澄まされていったっていうのもあるだろうし。

そこからコラボとか一切無くなって、周りとは違う路線に行き出したかな。

 

N : なるほど。

 

H : でも個人的にはそっちの方が良くてさ。

トモノリもそうじゃないかな。コラボ物よりプレーンなvisvimの方が好きだから、

そっちの路線に行ってくれた事で、「やっと着れる」って思ったよ。笑

 

N : 確かにロゴドン コラボ物はお二人のキャラじゃないです。

今は全然チャラくない服ですもんね。

 

H : そうだね。だから中村さん自身もそっちに行きたいと思ったんじゃないかな。

 

N : そのvisvimのスタンスは凄いです。

僕の様な販売員視点で見ると、正直分かりやすい物が売れるので。

それは僕なんかが分かるなら、デザイナーの方なんてもっと分かっていて、だけどそれをしない。

敢えて分かりにくい事をやるって、凄い勇気ですよね。

 

H : そうだよね。

そして尚且つDSM(ドーバーストリートマーケット)にもあるわけじゃん。それも凄いよね。

 

N : あの超アバンギャルドな館に。

 

H : ほとんどの人が理解できない様な空間にもvisvimはあるっていうのも、中村さんのファッションセンスの凄さ。

アメカジという点で突き詰めていったらさ、ドゥニームとか東洋エンタープライズ、ハリウッドランチマーケットとか沢山あるじゃん。

その中で唯一モードにも愛されてるプロダクトブランドだと思うな。

 

 



 

 

N : 話が変わって、最近雑誌の「SILVER」をよく読むんですけど、

そこにvisvimの記事があって、「visvimの服は店に掛かってる時が100%ではなく、そこから着込んでいく事によって完成していく」といった事が書いてあったんですよ。

確かに!!と。笑

そういった面も紹介したくて、今回はハシバさんの私物をお持ち頂いたんですけど。

 

H : visvimは本当そこだよね。魅力は。

今までめちゃ買ってきたけど、今回持ってきたのはvisvimの代表的なGジャンと特別なニット。

 

 



 



 

 

N : この101 色落ちが凄いですね。

 

H : これは着たねー。しかも割と色が濃いやつだったと思う。

ノブ君の世代と僕の世代では憧れのアイテムっていうのが全然違うと思うんだけど、

自分にとってGジャンは凄い魅力のある服。

若い時リーバイスの古着のGジャンとかを値段関係無く買ってたし(笑)、

APCの2nd型のGジャンも代官山で泣きながら買ってたな。笑

 

N : 思い出がいっぱいですね。

 

H : でもそれ以降に出たファッションブランド作るGジャンには全く惹かれた事が無くて。

 

N : そうなんですね。

 

H : でもそんな中欲しいと思ったのが、このvisvimの101ジャケット。

2色のステッチ、エイジングをかけたボタン、

袖を折った時に見えるセルビッチ、脇のスラッシュポケットの現代性とか、

これは中村さんのこだわりが詰まってるよね。

 

 



 



 



 

 

 

H : ビンテージを踏襲しつつも、フィッティングやディテールにリーバイスには無い新しさ、visvimらしさがあるよね。

 

N : 101は王道に格好良いです。

確かに自分はGジャン自体に特別なアイドル性はないんですけど、

ハシバさん世代の方が着こなしてるのを見ると真似したくなります。

 

H : あとは今の子達って、服に対して求めてる事が僕達と違うかも。

着てオシャレに見えるっていう表面的な事の方が大事なのかもしれないよね。

お世辞にもこれは着た瞬間にオシャレになれるとかじゃないから。笑

中村さんはその表面的なところは苦手。でもそれが良いんだよ。

逆にもっとチャらくなったら、俺買わないと思う。そこはvisvimのやる仕事じゃないよね。

 

N : なるほど。例えばGジャンが流行ってるからvisvimのGジャンを買う。

とかには向いてないという事ですね。

 

H : そうだね。

visvimはコンセプトがファッションであって、プロダクトはファッションでは無いっていう所が魅力だから。

買った服も全然着ない周期もあれば、凄い着倒す時期もあるし、そういうのが良いよね。

だから好きで買ってくれたお客さんに対しては本当に裏切らない服だと思う。

そういうの昔流行ったよね的な服ではないから。

 

N : 確かに。買って頂く方も硬派な方が多いですよね。

 

H : そうそう。なんかそういう硬派な人がスッと着れる服としてvisvimはオススメだよね。

 

 

 

 



 



 

 

N : ハシバさんの着てるムートンも凄そうですね。

 

H : これはめちゃ気に入ってる。レザーのクオリティはトップクラスだよ。

まだ育て中だけどね。これは自己満だからサラッとの紹介で良いよ。笑

 

 

 



 

N : 続いてはこちらのニット。とんでもない雰囲気がありますね。

 

H : これは最高品質のウールに藍染を施したフィッシャーマンセーター。

でもそれって実はNGな手法なんだよね。

 

N : そうなんですか??

 

H : 簡単に言うと、染めてもそっくりそのまま色が抜けてしまうから。

そこを植物由来の特別な成分を使用して、ウールに藍染をする事に成功したセーター。

インディゴと藍の色の抜けていく様は絶対違うからとう事で、何度もテストしてやっと出来た事で世界初らしい。

 

N : じゃあ世のウール関係者の人たちは、、、

 

H : もう衝撃だったと思うよ。

中村さんって昔よく白のフィッシャーマンセーターを着てて、アイコン的な感じだったんだよね。

昔から変わった格好はしなくて、本当にトラッドが好きな方。

デニム、ネルシャツ、フィッシャーマンとか、僕たちが普通に古着屋で見かけるようなベーシックなモノを彼は愛しているけど、その中でも好きなモノとそうじゃないモノがあって。

その違いって何だろうって事を、中村さんは色々と試して探してるんだと思う。

 

 

 



 

 



 

 

 

 

N : なるほど。良い原料を使って綺麗に服を作っているブランドは最近よく目にしますけど、

visvimはそこから更に人の手仕事や天然染色などを加えているので、1点1点服の表情が違ったり、

経年変化という面で美しく変わっていくんですね。

 

 

 

 



 

 

H : そうだね。

あと中村さんのファッション感は独特だよね。

一般的なデザイナーは綺麗なルックを撮って、シーズンの世界観が出来たらそれでOKって感じだけど、

中村さんはそこにこだわってなくて、服と人との関係性に重きを置いてるんだと思うな。

この服が、その人の着方やライフスタイルによって変化していく様とか、そこに魅力を感じてるよね。

工業製品みたいに均一に完成されたモノより、不均一で人間味のあるモノや着る人によって見え方が違う事を求めてるよね。

最近のICTの写真を見てもそう感じるよね。

 

N : 実際のvisvimのスタッフ方達が家族で写真を撮っていたやつですよね。

 

H : あれも凄いチャーミングだよね。

 

俺も40歳になって今自分が着たい服って、別に綺麗に縫製されてるモノとか、

格好良いルックに使ってたっていうモノじゃないんだよね。

「ルック通りにこうなりたい!!」とかいいおっさんがそんなの無い訳よ。笑

 

N : 笑

 

H : だけど自分と同じか、自分より上の方にファッションを楽しむ方法があるとしたら何だろうって考えた時に、

服と自分の関係性だと思ったんだよね。

そこを楽しめる洋服っていうのが、凄く魅力を感じるし、それを体現できるのがvisvimなんだよね。

visvimを買ってくれてる常連さんもきっとその視点があると思う。

今の流行が何とか、モテたいとかじゃなくてね。笑

 

 

visvimの服を見ると染めや、織りの柄、フィッティングとかは、それを着る人によって全然ベクトルが変わると思う。

中村さんってハッピーに物作りをする人だから、どベーシックでも何か表情があったりね。

visvimの服を着る時に中村さんの顔が浮かんで、それによって服と僕との関係性が生まれるし。

服単体の良さだけじゃ無い 先の事を誰よりも早くやってる人だね。

中村さんはファッションというものをやっていながら、そこを一つ飛び越えて物作りをしているね。

 

 

N : こうやって話を聞いてると欲しくなってきます。

毎シーズン1コーデは買ってるんですけど、まだ自分が着てると背伸びしてる感があります。笑

 

H : 色々と言ったけど、そもそもファッションは自由に楽しむものだから、自分なりの楽しみ方で良いと思うよ。

年取ってくるとね、持ってるもモノに対していちいち理屈が欲しいわけよ。笑

これは自分にとってこういう存在というか。

そういった男のつまらない言い訳を中村さんは作ってくれてるよね。笑

 

N : なるほど。今回なるほどとしか言ってないような気がしますが、、、笑

ありがとうございました。次はトモノリさんに話を聞いてきます。

 

➡︎ visvimの話 Part 2 に続く

 

 

 



 

 

 

 

 

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