D I A L O G U E は2005年の8月にオープンしました。
あれから16年は本当にあっという間でした。
これまでにたくさんのお客様に支えられてきたことを実感します。
日々のご愛顧に心より感謝申し上げます。
16年経った今でも、D I A L O G U E という店名がすごく気に入っています。
命名の理由についてこれまで何度か話をしてきましたが、最近になって改めて聞かれる機会が増えました。
直訳すると「対話」を意味する言葉で、「会話」との違いは相手に対して変化をもたらす提案が内容に含まれていることです。
当時の僕はアンディ・ウォーホールの写真集に出ていたバスキアのスケッチだったり、サイ・トゥンブリーのポスターだったり、マルタン・マルジェラのインタビューだったり、それらに出ていた「Dialogue」という言葉の響きに惹かれていました。
何か新しいと感じるお店を目指していたので、ストリートとモードをフラットに扱うことによってベクトルの違う概念を対話させるような提案がしたいと思い描いていたわけです。
16年も前ですから、今とは少し感覚が違うと思いますが...
それでも当時、Maison Martin MargielaとWTAPSを同じテーブルに並べて議論できたお店はそれほど多くはなかったはずです。
しかしながら、2011年にオープンした2号店の E N S E M B L E の誕生によって、D I A L O G U E はストリートテイスト、E N S E M B L E はモードコンシャスなテイストに徐々に変わっていきました。
それにはやはりニーズの影響が強くありますが、お店ごとの色分けといった意味合いもそれを助長していったように思います。
それが、現在の店舗に移転してから(1階が D I A L O G U E、2階が E N S E M B L E)変化が訪れます。
お客様が店舗間を行き来するようになり、自由に組み合わせてくださる方が増えてきました。
その様子を見て、改めて D I A L O G U E のコンセプトを再解釈したいと思ったのです。
visvim をヨーロッパで初めて紹介したのは OAMC のデザイナーであるルーク・メイヤー(当時はSLAM JAM所属)ですし、
UNDERCOVER には WTAPS の西山さんや C.E のスケシンさんが関与した伝説的なコレクションがあります。
sacai と MONCLER のコラボレーションは記憶に残る素晴らしいものでしたし、
SOPHNET. と N.HOOLYWOOD も親密な関係性がうかがえるコラボレーションを続けています。
所詮服は服であって、バックボーンやカルチャーを探っていくと意外なところで繋がっている。
それを伝えることもセレクトショップの面白さであり、私たちの使命でもあります。
そうだ。17年目の「対話」は、D I A L O G U E と E N S E M B L E の統合から始めよう。
そう思い立ってから構想1年… 共に働くみんなとたくさん議論して、ようやく今回の告知に至ることができました。
2022年1月2日より、1階(D I A L O G U E)と2階(E N S E M B L E)を統合して、新たな D I A L O G U E としてリスタート致します。
新しいことを始めるときは、賛成意見も反対意見もあって当然だと思います。
ただし、僕にはノスタルジーの思考がありません。
あの頃は良かった…よりもこれからを楽しみたい。
常に前進あるのみ、理想が先なんです。
お店をつくるということはそう簡単ではありません。
そこには働く人の人生があるし、顧客様と一緒に歳を取り、価値観も変化して行きます。
長く続けていくということは、それらを丁寧に吟味しながら適材適所を見極めていくことだと思います。
幸いにも、情熱的にファッションを楽しんでくださるお客様、メーカー様に支えていただいております。
これからもその期待を裏切らないように精進していくことを誓います。
今回の統合に伴い、インスタグラムを一本化します。
詳細は1月2日に告知予定です。
オンラインストアに関しましては、1月中の統合を目指して準備をしているところです。
こちらはまた追ってアナウンスいたします。
最後に、E N S E M B L E は無くなってしまうの???と心配してくださった方、ありがとうございます。
E N S E M B L E の話は後編で!