5月に入り暖かい日が続くかと思えば、20℃前後の肌寒い日もあり何を着たらいいかわからなくなる時があります。そんな時に手に取っているものは何かと考えた時1番はデニムだなーと。仕事、休み問わず僕自身がT.Tのデニムばかり履いているのもあるかもしれませんが、奥行きを感じるほどにモノのクオリティ、満足度が高いT.Tのデニムに今回はスポットを当ててみたいと思います。
昨年12月に姉妹店 FLAIRで開催したポップアップの際に使用された「桜製作所」との共作のラック
デザイナーの高橋氏は、生地が傷んでも取り繕い1着1着の衣類が今より大事にされていた時代に重きを置いており、その想いが実りを成し今回「つちや織物所」との共作でデニムジャケットを製作しました。
つちや織物所は奈良市内にある手織りを中心に布を作ってるいる工房です。
布を織る際の素材である糸をとても大切に考えている為、作りたい布や用途によって最良のものを選んだり可能な限り日本で作られている素材を使う等、どことなくT.Tに通ずるものもある気がします。
そんな工房で作られた手織物がモダンなデニムジャケットにリペアされてるんです。
こちらはRAW INDIGOタイプと作りは同じなので形やサイズ感は言わずもがな完璧です。
LOT 703 DENIM JACKET
綿の栽培、糸紡ぎ、布織りなど布ができるまでの全ての工程において人の手を通ってきた布だからこそ、鉄板のデニムジャケットより温かみを感じます。デニムだけどデニムじゃないようなそんな感じ。つちや織物も相まってよりムードを感じるので単体で着ても素敵です。
そういう意味だとこっちはT.Tらしいムードにハマれるデニムジャケットとデニムパンツ。ジャケット、パンツどちらも形が秀逸ですが、特にパンツが美しい。
LOT 703 DENIM JACKET C.1920's
Lot.704 DENIM TROUSERS C.1920s
高橋氏がレディースブランドで経験を積んでいた為か、デニムアイテム特有の土臭さを感じさせません。なのに、ヒゲ・ハチノス・タテ落ちは程よいバランスで綺麗に入っており、ダメージ加工だけでは終わらず、ボタンまで錆びさせるT.Tのこだわりは流石。
ダメージ加工はアイテムによっては、のっぺりとしがちですが、そんな事は全く無くRAW INDIGOタイプより生地が柔らかくなっているので最初からとても着やすいのも特徴の1つ。ライトオンスなので夏も出番アリ 暑い日はベタにTシャツ。コンバースなどのスニーカーでも良いですが、ここで僕は革靴との合わせをおすすめしたい。きっとしっくりくるはずです。
こちらは打って変わってRAW INDIGOタイプ。この硬い感じがいい。
T.Tのシグネチャーとも言えるアイテムです。
リファレンスとなったのはJames Cash Penneyによって創業されたJ.C Penney(今で言うイ○ンみたいな) リーバイスではなく3大ストアブランドと呼ばれるJ.C Penneyをリファレンスするのも面白いポイントです。
Lot.703 DENIM JACKETC.1920s
Lot.704 DENIM TROUSERS C.1920s
リファレンスとなったJ.C Penney
この当時からかなりライトオンス。
細かなディテールを見ていくと、首元の革パッチ、馬車時代の名残である前に振ったアームホール(車の運転とか意外としやすい)、今はなかなか使うことの出来ない針のシンチバック、フロントのポケットなどかなり忠実に再現されています。
前身返しやカフス裏などに白耳が使用されています。
上:Lot.703 新品
下:Lot.703 私物
上:Lot.704 新品
下:Lot.704 私物
僕自身ジャケットとパンツ両方購入し1年半くらい着用してきました。数回洗い、色も青みがかり生地自体だいぶ柔らかくなりました。
RAW IMDIGOタイプのパンツはレングスが長く設定されているためお直し前提です。
最初の頃はアイテム自体の形が保たれていましたが、もうあの頃のバキバキ感はありません。T.Tはこのような変化を「経年美化」と言っています。その時その時を楽しめるアイテムだと思いますし、ふと思い返した時に成長したなって楽しんでも欲しいんです。
現在は本人が不在ながらも、高橋氏が昔から集めていたヴィンテージアイテムや沢山のメモ書きにより高橋氏がやりたかった事をT.Tチームがしっかりと形にしてくれています。100年近く前のアイテムを考古学的な視点で捉えたT.T。1世紀前の服が今でも残っているように、T.Tも未来に残り続ける服の1つになると思います。
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